2025/9/8 15:03
行事の記録
第14回保小連携研修会(午後の部) 8/27

  2012年に第1回を開催し、今年で14回を数えます。今年も、姫路市立八木小学校から教頭先生をはじめ計7名の先生方、市教育委員会1名、市立こども園1名、私立保育園及びこども園など13名、保育士養成校教員1名とイエナプラン教育協会理事1名、その他2名などのご参加がありました。

 午前中は幼児異年齢混合3クラスの観察を約2時間の後、別室でぞう組担任の実践発表と質疑応答、助言講師の鈴木正敏先生(兵庫教育大大学院教授)のお話など。午後は、4グループでの話合いおよびその概要の発表、最後に鈴木先生の講評と質疑応答でした。 

午後の部

Aグループ
Bグループ

 

Cグループ
Dグループ
各グループの発表

黒田郁子さん(姫路市教育委員会)
 去年は全日参加させて戴きましたが、今日は午前は所用で参加出来ませんでした。八木保の先生方の実践は日頃からいろいろと勉強させていただいています。子ども達は興味を持つ事柄から課業に結びついています。ここ以外の多くの園はいわゆる「一斉活動」が主流だと思いますが、八木保育園は一斉活動ではないところが、とても気になっているところでした。今日、担任の先生に伺うと「課業に参加しない子も、課業以外の時間で伝えられる時間があったり、しっかり経験を共有できています」と説明されて、とても腑に落ちました。
 子ども達の興味関心に基づいた課業計画の立て方や内容が、子ども達の満足や充実感を支えていて、小学校へいったときの学習の基盤に繋がるのだと思います。
先ほどもグループで話しているときに、若い先生が「私の小学校の時を思い出しました」と仰っいました。つい一面的に小学校の特定の教科や内容に繋がっていると考えがちなのだけれど、もっと広く基本的な部分で繋がっているのだと、この研修で気付きました。
 保幼小どの立場の人も共有が出来るこの研修会は有意義だと思っています。

姫路市教育委員会より黒田郁子さん

椋田善之先生(関西国際大学助教授)
 担任の先生方が話された中で、幼児教育の大事な要素が沢山含まれていました。例えば、きりん組が「何度も試せるように」と言われました。これは幼児教育で絶対に保障しなければならないことです。何度も試している姿とか、ゆったりゆっくり見ている姿など、ゆっくりした時間が重要です。興味関心を持って夢中になっている姿を保障して、そこからどういうことを学んでいるのかというところを読み取っていくのが、大人の仕事かなと思っています。
 一般的な感覚では「遊び」というのは「学び」と繋がりにくいですね。小学校の先生に幼児教育の側が伝えていかなければならないのはそこです。その子どもはどういう視点で見ていたかとかどういう点に気付いているか、その経験が小学校へ行ったときのどういう所に繋がっていくのかをしっかり把握して、遊びから身につけている力とか遊びから育まれている能力などを説明することが今は問われてきています。その時に、保育園教育要領とか保育所保育指針や園の教育課程をしっかり理解していると、説明するときの言葉が的確にでてくるのだと思います。
 幼児教育の先生方は良い実践をされているのですが、言語化するところに弱さがあったり、思うことが伝えにくかったりするように見えるので、そこをドキュメンテーションとかで保護者にも上手く発信していく能力が求められています。
 今日の実践ではそういうところが沢山ありました。「水・氷」をとっても子ども達は変化に気付いて「溶けてる」とか、「溶けると滑るようになる」これが摩擦の理解に繋がります。教科書で学んだときに、「あの時に見たことが関係ある」とリンクしていくことが凄く大きいと思います。
 ぞう組の先生が「数」への興味にフォーカスを当てたテーマで課業をされました。最近は、数の概念が身につきにくくなりました。便利になって電子化されて失われている物が沢山ありますね。新幹線を見に行かれたとき、実際駅に行くまではどれぐらいお金がかかるかイメージがわかないのですね。今はカードをピッとかざすだけですから。300円とか400円とかいう数の概念はなかなか出てきません。その体験を保障していくのが幼児教育で、読み書き算数でなく、自然な遊びの中で出て来る数量とか、実物の紙幣や硬貨を触って使うとか、そういうことで身につけていくことが大切だと思います。では、どういう遊びをすればそういう体験が保障できるでしょう。
 午前中の発表で、スポイトを利用されているのが出ていました。これは指先の巧緻性ですが、水道なども自動化されて指先で調整することも無くなってきました。大人はあたりまえのように経験してきたことが、今の子どもたちには無くなってきています。この園の、環境を充実させるという点はそういうことにフォーカスを当てておられると感じます。
 長短という考察でも、実物の紐を触って比べることで長い短いに気付いて、さらにそれを言語化していました。課業も単に大人が計画した物からではなく、子どもの遊びから始まって繋がるように上手く構成されていました。そこの意図性は凄く大事で、子ども達の心の中では自分たちの遊びが活かされている感覚があるのだろうと思います。

関西国際大学 椋田善之先生

鈴木正敏先生(兵庫教育大大学院教授)

 今日の午前中は小学校の先生方も来られていて、小学校にどう繋がるかという問題から言うと、小学校は「やらなきゃならない事がある」に対し、保育の分野では本当に何をやっても良い、なんなら何にもやらなくても良い、怪我をしなければ良いぐらい楽に考えられますね。小学校もそれぐらい考えられたうえで、満足できる面白い物があれば良いなと思います。
 参加しない自由が認められるのです。くま組の先生が「参加しない児がいなくて困りました」と言われて、これを小学校の先生に聞いて欲しかったと思います。それでやっとやらない児が出てきてくれてやれやれと思われたと、これは小学校の先生からすれば全く逆の話ですね。これができるこの園の環境は本当に素敵だなあと思います。
 くま組今日のテーマはなんせ「アイス」ですから、ずるいですよね。一人だけ最初は入ってなかったけど、最後には中に入って来たのは「アイス」の効果で、面白かったです。
 今日、きりん組の課業を見ていて思ったのですが、水とお湯の境目はどこでしょう?皆さん、わかりますか? 
木村さん(受講者)  難しいですが、境目は「ぬるま湯」でしょうか。
 こういう問いの答えってすぐは分からないですよね。こういう答えの無いことをやったり考えるの
に意味があります。そうすれば、温度計を使って見ようとかそれから、今日のくま組で、先生が家でやってみたときは釣れたのに本番では釣れなかったことがありました。何故だとおもいますか?塩をたくさん入れてとかやっていましたけど、ダメだったですね。たぶん、湿度とか温度とか多様な要素があって、予想どおりにいかなかったけども、よく頑張りましたね。そういういろんな要素がある中で、何故なんだろうと考えることが始まりますね。ところで、なんで食塩を氷に入れるとアイスが作れるのでしょう?不純物を入れると凝固点降下が起こるのですが、では食塩以外にいろんな粉を入れてみようか、胡椒ならできるか、いろんなことをやってみると面白いと思います。食塩が凝固点降下を効果的に起こすことを誰か説明できますか? こんなふうに、課業は内容を突っ込んで行こうと思うといくらでもできますね。
 先ほど椋田先生の数の話しが出ましたが、電車に乗りに行ったのですね。入場券を買って入ったのですね。往復の電車賃だけでなくて、新幹線の入場券が要るという情報はわかっていたのですか?

 嶋谷保育教諭  はい、新幹線のスペシャリストで、何度も行っている児がいまして、入場券のことを教えてくれました。

 鈴木正敏先生(兵庫教育大大学院教授)
行けてよかったですね。ぞう組の年長が全員行ったのですか?

 嶋谷保育教諭 新幹線作りを始めてずっと熱心にやっていた年少男子2人と年中男子2人と年長全員で行きました。

 鈴木正敏先生(兵庫教育大大学院教授) 
 私は以前から「全員で行くな」と言ってあります。全員で行かない方が効果が高いのです。八木保の先生達には当たり前ですが、外部から来られているかたには意外のようですね。実は、一斉でというのが一番難しいのです。さっき、「集団に入らない」という選択を子どもがするのは、自分にはそれは合わないことがちゃんとわかっているからです。
 電車のことだったらお金の計算もするし大人しくついて行く、という児だけの方が入りやすいのです。一斉にして何がいけないかと言うと、電車には興味が無くてむしろプリキュアで遊んでいたいみたいとか、七夕飾りを作っていたい、という児も一緒に電車へ連れて行かれるわけです。
 

兵庫教育大大学院 鈴木正敏先生

以下、未完

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